大崎電気グループでは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のため、ガバナンス体制の充実を図っています。
当社の企業理念(パーパス)は、「見えないものを見える化し、社会に新たな価値を生み出す」というものです。これまでも、これからも、大崎電気グループは事業を通じて社会に貢献することをめざしています。
当社は、この企業理念(パーパス)のもと、株主をはじめとするステークホルダーの利益を重視し、永続的な企業価値の最大化を実現していくうえで、コーポレート・ガバナンスの充実は極めて重要な経営課題であると認識しています。今後も一層の経営の効率性、透明性を高め、公正な経営の実現に取り組んでいきます。
大崎電気グループは、コーポレート・ガバナンスの基本的な考え方を踏まえ、コーポレート・ガバナンスの基本方針を以下のとおりとします。
(1) 株主の実質的な権利と平等性を確保していく。
(2) 株主以外の取引先、金融機関、従業員、地域社会などさまざまな利害関係者とも適切な協働関係を確保していく。
(3) 会社情報を適時・適切に開示し、透明性を確保していく。
(4) 取締役・監査役および取締役会は、株主に対する受託者責任・説明責任を適切に果たしていく。
(5) 株主と合理的な範囲内で建設的な対話に努めていく。
大崎電気は、監査役制度を採用し監査役会を設置、社外監査役を含めた監査役監査体制により経営監視機能を果たしています。監査役会は4名で構成され、うち2名が独立性のある社外監査役です。取締役会は7名で構成され、うち3名は独立性のある社外取締役を選任しています。社外取締役及び社外監査役ともに、豊富な経営経験や実務知識ならびにこれらに基づく高い見識を有し独立性のある方を選任して、経営に対する社外からのチェック機能により、経営の監視・監督機能を強化しています。
2020年6月に導入した執行役員制度により、取締役会の監督機能がさらに高まり、同時に執行の機動性も確保しており、これら一連の体制が当社のコーポレート・ガバナンス体制として最適であると考えています。

取締役会は社外取締役3名を含む7名で構成されています。取締役会は、経営の公正性、透明性などを確保するため、業務執行取締役および執行役員に対する監督機能を担う一方、法令および規程により取締役に委任することができない決議事項や重要な業務執行について意思決定を行います。
また、決議事項や重要な業務執行以外の意思決定や業務執行については、各業務執行取締役と執行役員に権限の委譲を行い、取締役会は業務執行の状況報告などを受け、適切に監督を行います。
取締役会は原則として毎月1回開催するほか必要に応じて開催し、重要案件については議論の深化や決定プロセスの明確化を念頭に事前協議の場としての経営協議会も設置しており、経営環境の変化に機動的に対応し、効率的な運営に努めています。
さらには、社内取締役で構成される経営会議を原則週1回開催し、大崎電気グループの企業集団に影響を及ぼす経営課題などについて多面的な検討、協議を行っています。加えて執行役員会議を原則として毎月1回開催し、執行者幹部出席のもと全社的な情報共有を推進するとともに執行業務の迅速化を図っています。
なお、グループ幹部会を原則として毎月1回開催し、グループガバナンスとして、当社、株式会社エネゲートおよびEDMI Limitedの3社の活動状況をモニタリングしています。
大崎電気は、豊富な経営経験や実務知識ならびにこれらに基づく高い見識を有し、かつ経営陣から独立している人物を独立社外取締役または独立社外監査役として選任しており、独立した第三者の立場から当社の業務執行に対する適切な助言、監視および監査が期待できるものと考えています。
社外取締役は、取締役会およびグループ幹部会のほか、取締役会の事前検討の場としての経営協議会などの重要な会議に出席して、当社の経営全般に関わる重要な事項について、審議、決議に参加し、有用かつ適切な助言をし、監督機能を果たしています。また、社外取締役と監査役は適宜会議などを設け、情報・意見交換を実施しています。
社外監査役は、取締役会およびグループ幹部会のほか、取締役会の事前検討の場としての経営協議会などの重要な会議に出席するほか、代表取締役との定期的な会合で意見の交換を行い、適宜各本部および当社グループ会社の往査を実施し、監査の充実を図っています。
また、社外監査役は、他の監査役と同様に、会計監査人、経営監査室および内部統制部門と会議などを通じて、情報・意見交換を行っています。
大崎電気では、東京証券取引所の上場管理等に関するガイドラインなどを踏まえた社外役員の独立性判断基準を定め、社外役員の選任に当たっては、当該基準に基づき実施します。
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社外役員の独立性基準 (108KB)
当社は2020年6月25日より執行役員制度を導入しています。取締役会は経営の意思決定および業務執行の監督を主な役割とし、グループガバナンスの強化に軸足を移しました。
執行機能については、執行権限および執行責任の明確化を図り、取締役社長執行役員COOの指揮監督のもと執行役員が業務を執行する体制を構築し、執行の機動性を高めています。これら事業持株会社としての迅速かつ機動的な機能の発揮を通じて、グループ全体の企業価値の最大化をめざしています。このため、取締役は執行役員制度導入前の15名から大幅に減員して7名の構成となり、うち3名は独立性のある社外取締役です。執行役員制度導入による監督と執行機能の明確化、ならびにそれに伴う取締役員数の縮小は、社外取締役がさらに機能発揮できる環境整備でもあります。これにより、取締役会の監督機能が一層強化され、当社および大崎電気グループの企業価値向上に資するものと考えています。
当社は、経営の重要な意思決定機能と業務執行の監督機能を担う取締役会を少数精鋭化しており、これらの機能を適切に発揮するために備えるべきスキルとして、以下の8分野を重視することとしています。
各取締役および監査役が備えるスキルは、以下のスキル・マトリックスのとおりであり、取締役会全体としてスキルの多様性、バランスが確保されていると考えています。

当社は監査役会を設置し、社外監査役を含めた監査役監査体制により経営監視機能を果たしています。監査役は4名で、うち2名が社外監査役かつ独立役員となっており、社外からのチェック機能を果たし、経営監視機能の独立性、客観性を確保しています。なお、社外監査役1名は中央省庁要職や弁護士資格など豊富な経験と専門知識を有しており、もう1名の社外監査役は公認会計士および税理士資格保有者であり、財務および会計の豊富な実務経験を有しています。
また、監査役監査は、監査役会が定めた監査方針・監査計画などに従い各監査役が実施しています。監査役は経営監視機能として、取締役会、経営協議会、グループ幹部会などの重要会議に出席し、適宜意見を述べています。また、業務・財産の調査、重要決裁書類の閲覧、各部門担当取締役および執行役員への聞き取り調査を実施しています。これらを通じて監査役会は、取締役の職務執行に関する不正行為の有無、法令・定款の遵守状況の確認を行っています。
2023年度の具体的な重点監査事項として、次の7項目を取り上げ、監査しました。
(1)「監査役監査による提言への実施状況(中間報告、最終報告)」について、各部門の検討課題への今後の取組状況
(2) 当社グループ成長戦略の推進状況
(3)第2世代スマートメーターの全電力仕様統一化に向けた対応状況
(4) 海外事業の諸課題への取組状況
(5) スマートロック事業の営業利益黒字化に向けた取組状況
(6) 市販事業拡大に向けた取組状況
(7) コーポレート・ガバナンス、リスク管理の強化、環境問題をはじめとするサステナビリティおよび多様な人材の確保・育成・登用への取組状況
監査役会は、事業年度の監査結果を、期末に監査総括として取りまとめ、取締役会などで報告を行っています。
大崎電気は、役員の指名・報酬などに関する手続きの公正性・客観性・透明性を強化し、コーポレート・ガバナンスの充実を図るため、取締役会の任意の諮問機関として指名・報酬委員会を設置しています。
指名・報酬委員会は、取締役ないしは監査役である委員5名で構成され、その過半数は独立社外取締役および独立社外監査役から、委員長は独立社外取締役から選定しています。
指名・報酬委員会の役割は下記の事項のうち、取締役会から諮問を受けた事項となります。
(1) 取締役および執行役員の選解任に関する事項
(2) 代表取締役の選定および解職に関する事項
(3) 役付取締役および役付執行役員の選定、選任および解職、解任に関する事項
(4) 後継者計画(育成含む)に関する事項
(5) 取締役および執行役員の報酬制度および報酬決定の方針に関する事項
(6) 取締役および執行役員の個人別の報酬等に関する事項
(7) 取締役の報酬限度額に関する事項
(8) その他、取締役会が必要と判断した事項
大崎電気は、取締役会の実効性について持続的な向上を図るため、定期的に分析・評価を行い、重要性原則に基づき改善に取り組む方針です。
2018年3月期以降、毎年外部コンサルタント監修のもと、アンケート方式により分析・評価を実施してきましたが、2024年3月期においては、課題を深堀りする観点から、自社内でのディスカッション方式を選択しました。
当期においては、昨年度抽出された課題を基本として取組状況を確認し、これまで以上に重要性の観点から取締役会全体の実効性に関する分析および評価を行いました。
その結果、当社の取締役会は段階的な改善・進展を継続しており、実効性は確保されていることを確認する一方、後継者計画の策定への注力を課題と認識しました。
その概要としては、人的資本の具体的な方針および戦略の策定や指名・報酬委員会のメンバー構成の見直しを実施したこと、さらに経営協議会で中期経営計画等の重要案件について事前協議を行ったことにより取締役会を効率的に運営できたことを評価するとともに、後継者計画についても、指名・報酬委員会規程の見直しにより同委員会の役割・責務として明記し、協議を開始したことを確認しています。
大崎電気は、当社の取締役・監査役が当社の重要な統治機関の一翼を担う者として期待される役割・責務を適切に果たすため、当社の費用負担にて実施する取締役・監査役へのトレーニングの方針を以下のとおり定めます。
(1)新任取締役・新任監査役
就任直後の外部セミナーの受講
社内コーポレート・ガバナンス研修
(2)取締役・監査役
最低年1回以上の外部専門家による会社法等セミナーの実施
その他、有用なテーマのセミナー受講の奨励
(3)社外取締役・社外監査役
上記に加え、就任直後については、当社の業務全般に係る社内研修(事業所見学を含む)の実施
① 取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針に関する事項
当社は、取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針(以下、決定方針という)を定めており、当該決定方針は、委員の過半数を独立社外取締役および独立社外監査役とする指名・報酬委員会の審議・答申を踏まえ、取締役会決議にて決定しています。
取締役の個人別の報酬等の内容の決定に当たっては、指名・報酬委員会が決定方針との整合性や妥当性を検討しており、取締役会も基本的にその答申を尊重し決定方針に沿うものであると判断しています。
なお、各監査役の報酬額は、監査役の協議により決定しています。
2022年3月期より、中長期的な業績向上のインセンティブを強化し、株主との一層の価値共有を進めることを目的として、株式報酬型ストックオプション制度を廃止し、新たに譲渡制限付株式報酬制度(社外取締役を除く)を導入しました。
また、短期的な業績向上のインセンティブを強化するべく、2006年6月29日開催の第92回定時株主総会において決議された年額3億円以内(ただし、使用人兼務取締役の使用人分給与を含まない)の内枠として運用する業績連動報酬制度を導入しました。
《基本方針》
当社の役員報酬は、継続的な企業価値の向上および企業競争力の強化のため、優秀な人材の確保を可能とするとともに、業績向上へのインセンティブとして機能する水準・構成とすることを基本方針とする。具体的には、業務執行を担う取締役の報酬は、基本報酬、業績連動報酬および譲渡制限付株式により構成し、その支給割合については、企業価値の持続的な向上に寄与するために最も適切な割合となることを方針とする。なお、監督機能を担う社外取締役の報酬は、基本報酬のみとする。
《基本報酬》
基本報酬は、金銭による月例の固定報酬とする。基本報酬の金額は役位、職責等に応じて定めるものとし、業績、他社水準、社会情勢等を勘案して、適宜、見直しを図るものとする。
《業績連動報酬》
業績連動報酬は、事業年度ごとの業績向上に対する意識を高めるため業績指標を反映した現金報酬とし、各事業年度の本業で稼いだ利益を表す連結および単体営業利益率を基準として目標値に対する達成度合いに応じて算出された額を賞与として毎年一定の時期に支給する。なお、当該事業年度は、連結営業利益率が目標3.3%に対し実績6.2%、単体営業利益率が目標2.1%に対し実績6.8%となりました。
《譲渡制限付株式》
株主との価値の共有を図り、中長期的な業績向上へのインセンティブを高めることを目的として、業務執行を担う取締役に対し、譲渡制限期間を30年以内とする譲渡制限付株式を、毎年一定の時期に付与する。付与する株式の個数は、役位、職責等を踏まえて決定する。
② 取締役および監査役の報酬等についての株主総会の決議に関する事項
当社取締役の金銭報酬の額は、2006年6月29日開催の第92回定時株主総会において年額3億円以内(ただし、使用人兼務取締役の使用人分給与を含まない)と決議しています。当該定時株主総会終結時点の取締役の員数は15名です。また、当該金銭報酬とは別枠で、2021年6月25日開催の第107回定時株主総会において、譲渡制限付株式の付与のための金銭債権報酬額を年額1億円以内(ただし、使用人兼務取締役の使用人分給与を含まない)と決議しています。当該定時株主総会終結時点の取締役(社外取締役を除く)の員数は5名です。
当社監査役の金銭報酬の額は、2009年6月26日開催の第95回定時株主総会において年額7,000万円以内(うち社外監査役2,000万円以内)と決議しています。当該定時株主総会終結時点の監査役の員数は4名(うち社外監査役2名)です。
③ 取締役の個人別の報酬等の内容の決定に係る委任に関する事項
当社では、取締役の個人別の報酬額の具体的内容については、指名・報酬委員会の審議・答申を踏まえ、取締役会の委任決議に基づき取締役会長CEO(代表取締役)渡辺佳英および取締役社長執行役員COO(代表取締役)渡辺光康の両氏が決定しています。委任の理由は、指名・報酬委員会の審議を経て客観性や妥当性が確保されていることと、両氏が当社グループの経営環境や状況を最も熟知し総合的な判断が可能であると判断しているためです。
当社は、最高経営責任者(CEO)等の代表取締役の選定は、取締役会長CEO(代表取締役)が原案を作成し、他の代表取締役と協議した上で、取締役会に提案します。その手続きにおいては、取締役会の任意の諮問機関としての指名・報酬委員会を設置して関与させることで、指名に係る独立性・客観性と説明責任を強化しています。
後継者計画については、指名・報酬委員会の役割として規程に明記するとともに、育成を含めた取り組みを開始しています。