見えないものを見える化
当社は1916年に創業以来、電力の計測や制御などの電気に関わるものづくりを続けてきましたが、再生可能エネルギーの普及などエネルギー需給の変化に伴い、多様な計測や制御のニーズが生まれています。また労働人口の減少に直面するなかで、あらゆる分野でデジタル技術を用いた省力化が求められています。
また、当社の主力であるスマートメーターは大きな転換期にさしかかっており、計測データを活用した電力の制御など、電力DXの推進ツールとして位置づけられ、単に電力使用量を計測する以上の役割を果たすようになってきています。
このように、当社の事業を取り巻く環境にさまざまな変化が予測される中で、「見えないものを見える化し、社会に新たな価値を生み出す」をパーパスに制定し、エネルギー関連のさまざまな社会課題を解決する、 Global Energy Solution Leaderとなることをグループビジョンに掲げています。それを実現するため、データとデジタル技術を駆使する環境整備を進めます。そして、これまで培ってきたエネルギーの計測制御技術を起点に、スマートメーターを基軸としつつ 、脱炭素社会の実現など社会課題に対する新たなソリューションの提供に注力することを基本戦略として、グループの持続的な成長を目指していきます。
取締役社長執行役員 COO(代表取締役)
渡辺 光康
脱炭素化やGXをワンストップで提供するソリューションビジネスに注力し、次の成長の柱となる事業基盤の構築を進めます。
スマートメーターによって収集した電力使用量のデータに加えて、ガス・水道の利用データも自動で一括集計・検針ができるサービスを提供。集合住宅などの小規模施設から大規模の商業施設やテナントビルまで、検針業務の省力化・正確性の向上を可能にします。また、クラウド環境を活用して多拠点の遠隔検針やデータの一元管理などのニーズにも対応します。
空調や照明の制御を行うことで使用電力を自動的に抑制・制御できるサービスに、独自開発のAI機能を搭載。気象情報や過去の使用電力量を基に、常に学習しながら1週間先までのエネルギー使用量と電気料金を予測します。さらに、時間別に目標電力を個別に自動で設定することで、より快適で効率的な省エネを実現します。
戦略を着実に実行するために、スマートメーターをはじめとする電力会社向け製品を提供する「グリッドシステム事業部」と、電力会社以外のお客さまに広く製品・サービスを提供する「ソリューション事業部」の2事業部体制へ移行しました。
また、DX推進の専門組織を設立し、生産性向上のための戦略設計から実装まで全社横断で取り組んでいます。
加えて、オープンイノベーションの活用や、新事業の探索を目的とした組織を設立しました。
【取り組み例】
エネルギーマネジメントの新たな事業を育てることや、デジタルを活用して自らが課題解決できる人材を育成するため、デジタルスキル標準に準拠したデジタル人材育成の枠組みを構築し、DXリテラシーやDX推進スキルなどのデジタルスキルを身につける取り組みを開始しています。
ソリューションビジネスのサービス基盤として、複数の事業所のエネルギーデータの管理や、設備毎のエネルギー使用量をクラウド管理するWebプラットフォームを構築。検針業務の自動化とクラウド活用や、使用電力の自動制御・抑制など、エネルギー分野を中心とした多様な課題を包括的に解決するサービスの高付加価値化の環境を整備しています。
【サービス基盤】
『Drive スマートDX 〜ミライのスマートワークを、今ここで〜』
スマートワークをコンセプトに、構成する「データ」「デジタル技術」「デジタル人材」「ITガバナンス」を相互に連携をさせ、バリューチェーンワイドで生産性の向上を推進します。
- データ:統合や民主化に向けたデータマネジメントの再構築
- デジタル技術:マルチデバイス化やクラウド活用などによるデジタルデリバリーの民主化、AI労働力の獲得
- デジタル人材育成:デジタルマインドセットとエキスパート人材の育成
- ITガバナンス:スマートワークに対応したITガバナンスの整備
以下の指標を推進指標に設定しています。
- デジタルを活用したソリューション事業の売上比率
- デジタルスキル標準に準拠した、DXリテラシー人材およびDX推進スキル人材の育成者数
当社は、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の標準規格である「ISO/IEC 27001:2022(JIS Q 27001:2023)適合認証」の認証を以下の認証登録内容で取得しております。
<登録範囲>
計測制御機器及びシステムの開発・運用・販売
- 情報セキュリティマネジメントシステムに沿った体制の確立
- 情報セキュリティ認証取得とポリシー策定
教育
- 全従業員を対象とした、セキュリティ研修(1回/年)及び、「情報セキュリティ通信」による啓発活動(1回/月)
- ISMS定期教育(1回/年)
施策
- モバイルPC、外部記憶媒体等の棚卸(2回/年)
- 外部委託先の審査・棚卸(1回/年)
監査
- 内部監査チームによる内部監査(1回/年)
- ISMS認証審査(1回/年)
報告
- マネジメントレビューの実施(1回/年)
- 緊急時の初動対応のための連絡体制を整備