1.はじめに
本声明は2015年に成立した英国現代奴隷法、及び2018年に成立した豪州現代奴隷法に沿って、2020年11月17日に公表した内容も含めて改めて2020年度の声明として開示するものです。
当社は、自社並びにグループ企業(以下、「大崎電気グループ」という)、及びサプライチェーンを通して人権侵害を発生させない、また加担しないよう努めています。奴隷労働・人身売買は大きなグローバル課題であり、事業活動を行う中で、強制労働や児童労働という形で起こりうるという認識を持っております。また、大崎電気グループは、国連の「国際人権章典」(世界人権宣言、経済的・社会的及び文化的権利に関する国際規約、市民的及び政治的権利に関する国際規約)、「国連グローバル・コンパクト」及び「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」をはじめとする人権に関する国際規範を支持し、尊重します。
以下に、大崎電気グループの活動において、直接・間接を問わず、現代奴隷の使用及び人身売買等の人権侵害が発生しないことを確実にすることを目的とした取組みについて説明します。
2.大崎電気グループの事業と組織
大崎電気グループは“Global Energy Solution Leader”をビジョンに掲げ、スマートメーターなど電力量計の製造・販売、電気の計測・制御技術を活かしたエネルギーマネジメントサービスやIoTを活用したソリューションなどを提供しています。世界14ヵ国に拠点を持ち、100ヶ国以上に製品・サービスを提供、連結従業員数は3,000人を超えています。
東京証券取引所第一部に上場している大崎電気工業株式会社は、大崎電気グループの事業持株会社であり、日本国内で事業を行っています。
海外事業はEDMI LIMITEDを親会社とするEDMIグループが推進しており、大崎電気工業株式会社は海外持株会社OSAKI United International Pte. Ltd.を通じてEDMIグループを統括しています。英国ではEDMI Europe Limitedがスマートメーター及び通信ハブ、豪州ではEDMI Pty Limited等がスマートメーター及びソリューションサービスの開発・販売などの事業活動を行っています。
<大崎電気グループの企業理念>
https://www.osaki.co.jp/ja/profile/message/vision.html
<大崎電気グループの企業・事業>
https://www.osaki.co.jp/ja/profile/group.html
3.奴隷労働・人身売買防止に関する方針および取組み
●人権リスクモニタリング体制の構築
リスク管理体系に「人権リスク」を組み込み、大崎電気グループ全体のモニタリング体制を整備しました。
●大崎電気グループ企業行動憲章
大崎電気グループでは、企業行動の指針である「大崎電気グループ企業行動憲章」に、「グローバル社会におけるすべての人々の人権を尊重し、いかなる差別も行わない」ことや、「グループ社員の多様性を重視し、公正な労働条件と成長機会を提供する」こと、また、「実効性の高いガバナンスを構築してグループ全体に周知徹底を図り、サプライチェーンにも本憲章の精神による行動を促す」ことを明記しています。
<大崎電気グループ企業行動憲章>
https://www.osaki.co.jp/ja/profile/message/charter.html
●コンプライアンス規程(マニュアル)
大崎電気グループ企業行動憲章に基づく業務上の指針である「コンプライアンス・マニュアル」には、「法規範の遵守」「人権尊重・差別禁止」「ハラスメントの禁止」「職場の安全衛生」「労働関係法の遵守」を明記しています。また、その解説本である「大崎電気グループコンプライアンス・ハンドブック」(EDMIグループでは、「EDMI General Compliance Rule」)をグループ役職員の教育に活用しています。
また、海外事業を担うEDMIグループにおいて、新たに人権行動規範と現代奴隷法対応規程を策定すると共に、自社工場における採用マニュアルの確認を行いました。
●社内監査対応
大崎電気工業では、リスク管理体系による人権リスクのモニタリング体制を構築すると共に、「リスク自主点検制度」の中に人権関連項目を拡大して設定し、人権リスクの管理強化を行いました。今後は「リスク自主点検制度」のPDCAサイクルによる管理強化を目指します。
EDMIグループでは、自社工場の人権遵守状況の監査も実施していく予定です。
●ヘルプラインの設置
大崎電気グループでは、問題の早期発見・是正を図るため、国内外の全グループ従業員向けに人権に関する内容を含む、報告・相談の窓口であるヘルプラインによる通報制度を設けています。国内においては、第三者機関の外部通報窓口も設置しており、匿名での通報も可能です。また、通報等を理由とした解雇その他いかなる不利益な取扱いも行ってはならないとの責務を定めて通報者の保護を図っています。
●サプライチェーン・マネジメント
大崎電気工業では、人権遵守の内容を盛り込んだ調達基本方針を現在作成中です。作成後、当社HPにて開示予定です。今後は購入先の品質監査時等に人権対応状況の確認を強化していく予定です。
EDMIグループでは、取引先選定プロセスのリスク管理規程を策定し、取引額上位の取引先に対して人権に関する調査を開始しました。今後は取引先からの回答内容の分析を行い、今後の対応について検討していきます。なお、新規取引先に対する調査は都度実施していきます。
●研修・教育
社内報に現代奴隷法の内容を含む人権に関する記事を掲載し、国内グループ会社の従業員に対して人権教育を実施しました。
大崎電気工業では、国内の購買担当者を対象に、動画での人権教育を実施し、幹部職を対象
に、動画でのハラスメント防止研修を実施しました。今後は、人権教育を従業員への教育体系へ組み入れることにより、継続的に人権教育の機会を設けると共に、教育体制を整備していきます。各種ハラスメントや男女平等についての教育も併せて実施していく予定です。
国内グループ会社のエネゲートでは、全従業員を対象に毎年人権教育を実施しており、今後も
継続して実施していく予定です。
EDMIグループでは、従業員へ人権行動規範・現代奴隷法に関する人権教育を実施し、本社(シンガポール)と主要販売会社(英国・豪州・ニュージーランド)と主要工場(マレーシア・中国)の従業員の約7~8割が受講済みで、2021年度に教育の完了を見込んでいます。なお、新規社員に対する教育は都度実施していきます。
本声明は2021年5月27日開催の当社取締役会にて承認され、取締役社長執行役員(代表取締役)の渡辺光康により署名されました。
2021年5月27日
- 2020年度 大崎電気グループ 現代奴隷法に関する声明(仮訳) (284KB)