大崎電気工業株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:渡辺光康、以下「大崎電気」)は、IoTを活用した農業支援サービス「ファームウォッチ®」を新たに開発し、8月より一般農家及び農業法人向けに提供を開始します。
(1)背景
日本における農業は深刻な高齢化の問題に直面しており、農業就業人口の改善が急務となっている一方、食品に対する消費者の要求は厳しくなっており、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会では、選手村に供給される農産物を供給する農家は全て、農林水産省が進める日本版農業生産工程管理※注(GAP: Good Agricultural Practice、以下「GAP」)の規格を取得することが義務づけられる見通しです。
こうした中、大崎電気の持つIoT技術を使い、GAPに対応した農作業のデータ管理や、ビニールハウスの遠隔管理サービスを提供することにより、農作業の効率化や自動化を支援することで、人手不足に悩む農家の負担軽減に貢献します。
注:GAP(Good Agricultural Practice:農業生産工程管理)とは、農業において、食品安全、環境保全、労働安全等の持続可能性を確保するための生産工程管理の取組のことです。
(2)概要
「ファームウォッチ®」は、既存のビニールハウス内にセンサーを設置し、温度や湿度、照度、土中の水分を分析・記録します。これらの情報は専用アプリからリアルタイムで確認できるとともに、使用した機材や資材、作業の内容を簡単に記録できます。またこれらの作業日報データは、GAP申請に必要な生産管理データとして活用できるため、これまで手入力であったGAPの申請負担が軽減されます。
大崎電気は、2017年11月より熊本県のトマト農家と連携し、ビニールハウスで実証実験を行ってきました。今回、作業日報ツールが完成したことや、ハウス内環境のモニタリングの検証結果を踏まえ、サービス提供を開始します。
また、ポンプや開閉装置、循環扇風機、暖房機などを遠隔制御する技術に目途が立ち、製品化に向け開発しており、本サービスが実装されれば、ビニールハウスに直接出向くことなく管理が可能となります。
(3)今後の展開
今後は連携する情報や制御対象となる機器を拡大させるとともに、熟練農家の「勘」や「経験」をデータ化・蓄積し、AIによる提案型支援サービスに発展させていきます。
以上