電子式電力量計とは

電子式電力量計は内部の電子回路により電力を計測する電力量計です。
では、どのように電力を計測しているのでしょうか?

メカニズム

電力計算は、半導体という物質で構成された微細な電子回路内(以後、演算器と呼ぶ)で行われます。
半導体は、消費電力の軽減や処理速度の増加のために技術改良が行われ、現在、3~6V程度で動作するものが主流となっています。
実際、電力量計の中にある演算器(コンピュータ)によって電流と電圧を掛け合わせ電力量を算出します。
まず、演算器へ入力した電圧は、A/D変換という処理を行います。
A/D変換は、文字通りアナログ信号(連続信号)からデジタル信号(離散信号)へ変換する作業のことを言います。
A/D変換を行うと、入力電圧は一般的に00010100のような2進数によるデジタルデータになります。

信号の流れ

このA/D変換によって演算器にとって非常に計算しやすい形となります。
そのため、短時間で多くの計算を行う事が可能となります。
ここでは、デジタルデータを8個の数値(8ビット)で表していますが、実際には必要な精度により、より多くの桁(ビット)を必要とすることもあります。(1.00Vと表現するのか1.001Vと表現するのかで計算結果に相違が出る。)
このように、デジタル信号に変換した値を使って、掛け算を行い電力を算出し、この電力を積算し電力量とします。
電力量が分かってしまえば、あとは表示のkWhという単位に合わせてデジタル信号を私たちが普段使用している数値として電力量計の液晶へ表示します。
以下、簡単な処理の流れを示します。

電力量が算出されるまでの流れ

ここからは、演算器へ入力する前の処理をみていきましょう

電圧値の計測

電圧値の計測

電力の計算は、演算器により行われるため、100V近傍の電圧を演算器が扱える電圧へ下げる必要があります。
そこで、必要となる法則が有名なオームの法則とキルヒホッフの法則です。
この2つの法則から複数の抵抗を使用して入力電圧を意図した比で小さくすることが可能となります。

左図のように回路を構成することで、電圧変動に比例した値を取り出し演算器へ入力することが出来ます。

Ex)上図のように抵抗99Ωと1Ωを直列に接続し、その両端の電圧を100Vとすると、1Ω抵抗の両端には1Vの電圧が現れます。仮に、電圧が50Vに低下した場合、1Ω抵抗の両端には0.5Vの電圧が現れます。

電流値の計測

さて、次に電流はどのように計るのでしょうか?
特殊なものを除き半導体は、大きな電流を流すことができません。
そのため、流れる電流を電圧に変換し演算器へ入力する必要があります。
電流を電圧に変換するにはオームの法則により抵抗を挿入すれば簡単にできます。
しかし、精度・品質・仕様などの制約があり、主に電流が流れることで発生する磁界の大きさを検出し電圧に変換する方法が取られています。
(アンペアの右ねじの法則により電流が流れるところに電流に比例した磁界が発生することが知られている)
このような電流センサには、CT(CurrentTransformer)、ホール素子などがあり、精度・品質・仕様を考慮し選択します。
下にCTセンサの概念図を示します。
CTは入力電流からある決められた比で小さな電流を出力します(1000:1など)。
この出力に抵抗を接続することで電圧として演算器へ入力することが可能となります。

Ex)1000:1の比を持つCTは電流が10A流れたとき0.01Aの電流を出力します。CTの出力に100Ωの抵抗を繋げれば出力1Vとなります。

右ねじ

つぎは、