誘導形電力量計とは

誘導形電力量計とは

電気の使用量を計測する電力量計には、誘導形電力量計があります。

この誘導形電力量計は電力を円板の回転力に変えて、その回転数を積算して使用電力量を表すものです。
メカニズムとしては図1のようになっています。
まず、電圧、電流が各コイルに流れてきます。
すると、円板に回転力が働き、円板が回転します。
その回転が計量装置のギアに伝わり、電力使用量として数値化されます。

図1

円板の回転力を作る電力、これは電圧と電流で求めることが出来ます。
よってそれらを受ける電圧コイルと電流コイルの2つの電磁石を円板を挟むように設けます。
これらのコイルはそれぞれ電圧、電流を流すことによって、電圧磁束と電流磁束を発生させます。
これらの磁束を導体でできた円板に貫通させ、その磁束の変化を妨げる方向に誘導起電力(渦電流)が発生(これをレンツの法則とよぶ)し、その渦電流と各コイルから発生した磁束との電磁作用(フレミングの左手の法則)により回転力が生まれます。

また、回転速度については制動磁石と呼ばれる磁極の間を円板が移動することで円板に逆向きの回転力が生じ、それがブレーキ力(制動力)となり、電力に比例した速度になるよう円板を制御しています。
その他にも色々な補償装置が付いており、これらの結果、電力に比例した回転速度で回転するため、正確な電力量が計測出来るのです。

次に、電力に応じた力が円板に発生するまでの詳細を説明します。
図2は電流と電圧、そして発生する電流磁束と電圧磁束の関係を表しています。
ここで重要なのが電流磁束は電流と同時に発生し(同相)、電圧磁束は電圧コイルの抵抗により約90°分遅れて発生するということです。(これを内部位相角が90°の状態と呼びます)
この状態が正確な計量をする前提条件なのです。
その為、色々な補償装置を取り付けることで電圧磁束が90°分遅れるようにしています。

また、電流、電圧、磁束がプラスとマイナスの時では進む向きが変わると理解してください。
つまり、プラス側で最大値(山頂)の時とマイナス側で最大値(谷底)の時、向きが逆になりますが大きさは一緒です。

図2

図3は電圧コイル、電流コイルから発生した電圧磁束、電流磁束とそれらによって発生する誘導起電力(渦電流)の関係を表しています。
渦電流はそれぞれの磁束に対して90°分遅れて発生します。
この時に〈電圧磁束〉と〈電流磁束による渦電流〉によって発生する力(回転力)と、〈電流磁束〉と〈電圧磁束による渦電流〉によって発生する力が同じ方向に発生するのです。

図3

次に円板中での状態を説明します。
まず図3においてプラス側に磁束が発生している時に図4のような向きで磁束が発生しているとします(マイナス側は逆向き)。
この磁束は図3の波形に従って時間の経過とともに向きと大きさが変化しています。

図4

まず、〈電圧磁束〉と〈電流磁束による渦電流〉の関係を見ていくと図5のようになります。
①の黄色で囲まれた部分のプラス側の電流磁束の変化が、矢印の方向の渦電流を流します。
この時電圧磁束の向きもプラス側の向きの為、フレミング左手の法則により、矢印の方向に力が発生します。

図5

次に〈電流磁束〉と〈電圧磁束による渦電流〉の関係を見ていきます。
①の時のプラス側の電圧磁束の変化により矢印の方向に渦電流が流れます。
②を見ると、この時電流磁束はマイナス側になっており①の時とは逆向きの方向に磁束が発生します。
これによりフレミング左手の法則によって②でも①の時と同じ方向に力が発生するのです。(円板を貫く磁束が移動している)

図6

このように、電圧と電流磁束の内部位相角を90°に設定することで、それぞれの磁束と渦電流により回転力が発生しているのです。

つぎは、
  • スマートメーターで描くスマートグリッドの未来